カップウィズハンドルとは
カップウィズハンドルとは、文字通り取っ手つきのカップのことを指し、コーヒーカップのような形状をしたチャートパターンのことを言うよ。
成長株(グロース株)にたまに見られるチャートパターンで、株価が2倍・3倍へと大きく跳ね上がることも珍しくないんだ。
カップウィズハンドルは、アメリカの伝説的な投資家「ウィリアム・オニール」が著書(オニールの成長株発掘法)で紹介していたことでも知られ、数あるチャートパターンの中でも信頼度の高いシグナルだと言えるよ。
このカップウィズハンドルの発生条件は下記の通り。
①カップ形成前に、30%以上値上がりする
②株価が大きく下がる(調整)
③カップの底で「U字型」を形成する
④株価が「ベース高値」近くまで上昇する
⑤ハンドル(取っ手)部分を形成する
⑥ピボットポイントを上抜けする
以上の項目をクリアすると、カップウィズハンドルが完成となるんだ。
ここからはそれぞれの項目を詳しくみていくね!
①カップ形成前に30%以上値上がりする
カップウィズハンドルは、上昇トレンド中に形成されるチャートパターンなんだけど、カップを形成し始める前に直近の底値から30%以上、株価が値上がりしていることが理想とされているよ。
もちろん絶対ではないけど、この条件が当てはまることで、より精度が高まると言えるんだ。
ちなみに、上昇トレンドではなく「下落トレンド」でもカップウィズハンドルが出現することもあるけど、成功率はぐっと下がると言われているよ。
そのため、カップウィズハンドルの第一条件として、まずは30%以上の値上りをしているかどうかに注目してみてね。
②株価が大きく下がる(調整)
上昇を続けてきた株価が、ある程度の水準に達したら、「利益確定」に大量の「空売り」も入って、株価が急落することが多いよ。
いわゆる「振るい落とし」といって、握力の弱い個人投資家を機関投資家が一斉に焼き尽くすんだ。
このときの下げ幅(調整幅)は、高値から12~33%程度が理想とされていて、例えば、下落前の高値が1,000円だとしたら、株価は880円~670円あたりを目安に推移すると考えることができるよ。
③カップの底でU字型を形成する
カップの底だけど、ここの形は「V字」ではなく「U字」が良いとされているんだ。
じっくり時間をかけて、握力の弱い個人投資家に損切りをさせ、それを機関投資家が買い集める必要があるからね。
V字ですぐにリバウンドしてしまうと、振るい落としや買い集めが不十分になることからも、底でもみ合い(横ばい)が続くのが良いとされているんだよ。
④株価がベース高値近くまで上昇する
売りたい人はもうほとんどが手放した「売り枯れ状態」で、出来高も激減。
機関投資家も満足のいく買い集めができたら、準備は完了だよ!
株価の大幅な上昇に向けて、一気に仕掛けてくる可能性が高いんだ。
出来高が少ない中、大量に買い注文が入ったら、どうなるかは容易に想像がつくよね!
ただ、何も「好材料」がない状態でいきなり株価を上げても、個人投資家が後に続かない可能性もあるから、好材料に合わせて仕掛けてくることが多いよ。
ちなみに、ここの上昇は、ベース高値(下落する前の高値)まで戻る必要はなく、ベース高値より5%~10%程度低くて良いとされているんだ。
⑤ハンドル(取っ手)部分を形成する
ベース高値近くまで上昇すると、再び売り圧力が強くなることからも、ここでまた株価は下落(調整)すると考えられるよ。
底で買った個人投資家の「利益確定」に加え、損切りができなかった人の売り圧力もあるので、このタイミングでまた調整期間に入るんだ。
下落幅(調整幅)は、強気相場なら8~12%、弱気相場なら20~30%とされていて、ここでコーヒーカップのハンドル(取っ手)部分を形成するよ。
ハンドル部分は、形成しなくても上昇することがあるんだけど、形成された方が上昇の確率は高いとされているんだ。
⑥ピボットポイントを上抜けする
「カップ部分」と「ハンドル部分」をつなぐ高値(青い点)を「ピボットポイント(転換点)」といって、このピボットポイントを上抜けたタイミングが、絶好の買い場だと言われているよ。
このピボットポイントをブレイクすることができれば、本格的な上昇が始まるとされているんだ。
カップウィズハンドルの形成期間は銘柄によってバラバラだけど、ウィリアム・オニール氏いわく「7~65週間」とのこと。
日に変換すると49日~455日。
月に変換すると1.6ヵ月~15ヵ月。
ちなみにハンドル(取っ手)部分は「2週間以上」とされていて、かなり時間を要するチャートパターンなんだよ。
このことからも、カップウィズハンドルは「デイトレード」ではなく「スイングトレード」に向けたチャート分析だと言えるんだ!
スイングトレードで大きな利益を得たいという方は、オニールの成長株発掘法を参考に、カップウィズハンドルを形成しそうな銘柄を探してみてね!