BPSとは
BPS(ビーピーエス)とは、Book-value Per Share(ブックバリュー・パー・シェア)の略で、1株あたりの純資産のことを言うよ。
(Book-value = 帳簿価格 = 純資産 Per Share = 1株あたり)
企業の「安定性」がわかる指標のひとつで、1株に対して純資産がいくらあるのかを表した数値なんだ。
このBPSは、企業の「資産」から「負債」を引いた純資産を「発行済株式数」で割ることで算出できるよ。
純資産(資産 – 負債) ÷ 発行済株式数 = BPS(1株あたりの純資産)
例えば、純資産が1,000万円、発行済株式数が10万株の企業があったとしたら、
BPSは 1,000万円 ÷ 10万株 = 100円 ということになるんだ。
この企業は「1株あたり100円の純資産がある会社」と言い換えることができるよ。
もし、この企業が何らかの理由で解散した場合、株主の保有株数に応じて「純資産」が分配されるから、1株あたり100円が戻ってくることになるんだ。
100株持っていたら1万円、1,000株持っていたら10万円が返ってくることになるよ。
そのため、このBPS(1株あたりの純資産)は、別名「1株あたりの解散価値」とも呼ばれているんだ!
BPSの数値が高い → 安定性のある会社
BPSの数値が低い → 安定性のない会社
BPSの具体例
ここからは、実際の決算資料を見ながら説明するね。
下記の決算書は、日本のゲーム会社「コロプラ」の2020年9月期のものだよ。
(2019年10月1日~2020年9月30日までの業績発表)
今回、注目するポイントは赤枠の3箇所で、記載内容は下記の通り。
①純資産
②1株当たり純資産(BPS)
③発行済株式数(自己株式を含まず)
BPSの計算
では、ひとつひとつ計算していくね。
株式会社コロプラの2020年9月期の純資産は、①に記載してある通り、757億7,900万円(75,779,000,000円)。
この金額を「発行済株式数」で割ることで、1株あたりの純資産が算出できるんだけど、この計算に用いる発行済株式数は、自己株式を除いた「期末発行済株式数」を用いることがポイントだよ!
③に記載してある通り、コロプラの期末発行済株式数(自己株式を含む)は129,607,536株。
期末自己株式数は1,778,259株。
よって、BPSの計算に用いる「期末発行済株式数(自己株式を含まない)」は、
129,607,536株 – 1,778,259株 = 127,829,277株
ということになるんだ。
そのため、BPS(1株あたりの純資産)は、
757億7,900万円 ÷ 127,829,277株 = 592.81円
ということになるよ。
②の数字(BPS)とピッタリだね!
ちなみに、前年度(2019年9月期)のBPSは
694億3,300万円 ÷ 127,510,461株 = 544.53円
このことから、コロプラは前年度よりも会社の安定性が増したと判断できるんだ!
この他にも、BPSを「株価」と比較することで、今の株価が割安なのか割高なのかを見極めることができるよ。
これについては、下記の記事「PBR(株価純資産倍率)」で解説しているので読んでみてね!